グルメ (プチ情報)

オージービーフ AUSSIE BEEF

オーストラリアでは何かあればバーベキュー。BBQと略したり「バービー」と言ったりします。
庭にバーベキューコンロがある家庭も多く、自由に使えるバーベキューの設備のあるビーチや公園も見かけます。
たいていはお肉とソーセージと玉ねぎをシンプルに焼くだけ。日本のように色とりどりの野菜や前日からお肉を漬け込むなんてことはしません。
ちなみに、バーベキューのお肉を焼くのはご主人の役目、奥様がたはお肉が焼けるまでビールやワインを飲みながらおしゃべりしています。

手軽にバーベキュー気分を味わえるのが、シドニーのロックス地区 Rocksにある「フィリップス フット Phillip’s Foote」。自分でステーキを焼くスタイルのパブです。
Tボーンやランプ(赤身)、フィレ、サーロインなど好きな肉を選んでお金を払うとお皿にのった生肉を渡されるので、バーベキューエリアに行って自分で好みの焼き加減に焼いて食べます。肉以外にも魚やチキンも選べ、野菜やパンはサラダバーから自由に取ることができます。
バーカウンターでビールを買って飲みながらお肉の焼き加減をチェックし、焼きあがるまで他のお客さんと会話するのも楽しいです。

ビーフだけでなく…
家庭では羊肉のラム Lambもよく食べられ、キッチンのコンロの下のオーブンで焼いたローストラムは定番のメニューです。
また、スーパーでは低脂肪、高タンパク、低コレステロールのカンガルーの肉も見かけます。

シーフード SEAFOOD

オイスター Oyster
小ぶりのロックオイスター、大きなタスマニア産のオイスターと、オーストラリアでは牡蠣をぜひ召し上がってください。
レストランでは、生牡蠣の「オイスター ナチュラル Oyster Natural」、刻んだベーコンとウスターソースをかけた焼き牡蠣の「オイスター キルパトリック Oyster Kilpatrick」、グラタンみたいにベシャメルソースとチーズをのせてグリルした「オイスター モネ Oyster Mornay」があります。
生牡蠣をお値打ちに食べるには、海辺の町にあるフィッシュマーケット(市場というよりショップですが)。一緒に包んでくれたレモンを絞って近くのベンチで海を見ながら食べるのもおすすめです。

牡蠣を注文/購入する際は1個・2個ではなく、ダース(ダズン dozen)です。1ダースはで12個。1/2ダースの6個でもOKです。


ロブスター Lobster
オーストラリアのロブスターはアメリカのハサミの大きなオマール海老とは違い、日本の伊勢海老のようです。
高級食材なので一般家庭の食卓ではめったにお目にかかりません。
レストランでシーフードの盛り合わせ「シーフード・プラター」を注文すれば、お値段によってはロブスターも入っています。
もしくはロブスターを単品(アラカルト)で注文となりますが、いずれにしてもちょっとお高いです。

エビ Prawn
海辺のフィッシュマーケットでは、生のエビだけでなく、茹でたエビも数種類売られていてグラムで買うことができます。
茹でたエビは殻も簡単にむくことができ、うっすらと塩味のするエビはとても美味しいです。

マッドクラブ Mud Crab
ブルースイマー Blue Swimmerというワタリガニの一種や超大型のキングクラブ King Crabなどありますが、クィーンズランド州ではマングローブの川にマッドクラブが生息しています。
運河沿いの家では籠を仕掛けて捕獲することもできます。(メスやサイズの小さいものはリリースする決まりです。)
フィッシュマーケットでは大きくて危険なハサミを紐で括られて売られていますが、茹でるのもたいへんなので、レストランかクルーズ船で食べるのが簡単です。

バグとスパナクラブ Bug & Spanner Crab
うちわエビの一種のバグや日本のアサヒガニにあたるスパナ―クラブ。独特な姿でちょっとグロテスクに感じる人もいるかもしれませんが、とっても美味しくてロブスターよりもお値打ちなのでおすすめです。

バラマンディー Barramundi
バラマンディ はクィーンズランド州やノーザンテリトリーなどオーストラリアの北部の温かい(暑い)ところで獲れる白身の魚です。スズキ目・アカメ科に属する魚の一種だそうで、クセもなくおいしい魚です。

オーストラリア料理 AUSTRALIAN FOOD

フィッシュ&チップス Fish & Chips
オーストラリアはイギリスの植民地でした。1901年の独立後の現在もエリザベス女王が君主のイギリス連邦加盟国で、イギリスを代表する料理のフィッシュ&チップスもオーストラリアで定番のファストフードとなっています。
オーストラリアらしいのは、白身魚のフライにサメが使われることがあるということでしょうか。


チップス

チップス Chips
チップス(フライドポテト)は町のいたるところでテイクアウト(オーストラリアではテイクアウェイ Take Away)でき、手軽なおやつという感じです。
ケチャップではなく、ビネガー(酢)をかけてソルト&ビネガーにして食べるのが一番ポピュラー。チキンソルトというパウダーを置いてある店舗もあります。


ハンバーガー Hamburger
レストランやファストフード店で食べるのもいいのですが、おすすめはサンドイッチバーと呼ばれるテイクアウェイのお店で作ってもらうハンバーガー。ビートルート Beetroot(ビーツ)というロシアのボルシチにも使われる赤紫色のカブのような野菜のスライスがはさまれていることもあります。
サンドイッチバーでは、その名の通り、サンドイッチも作ってくれます。パンの種類(食パンは白いものか全粒かなど)を選び、バターやマスタードを塗る/塗らないを聞かれ、何種類もあるハム・ベーコン・チーズ・野菜などから具をチョイスし、トーストしてもらったりして、自分好みのサンドイッチを作ってもらうことができます。


ミートパイ Meat Pie
B級グルメのミートパイ。パイの中にひき肉を調理したものが入っていて、マッシュルーム入りのものやゴロゴロっとした肉が入っているステーキパイなどいろいろなバリエーションがあります。

シドニーで有名なのは「ハリーズ Harry’s Cafe de Wheels」。お店というより屋台といった感じですが、有名人が多く訪れている老舗でエルトンジョンやKFCのカーネルサンダースも来店したそうです。
オプションでマッシュポテトやグリーンピースのマッシュしたもの、グレービーソース(肉汁のソース)を注文すれば、かなりのボリュームになります。

クィーンズランド州ではゴールドコーストとブリスベンの間のヤタラという町に、130年以上前から営業している「ヤタラ パイ Yatala Pie」があります。ハイウェイ沿いにあるのでドライブの休憩がてらに立ち寄ることができます。


ブレックファースト Breakfast
毎日の朝食はシリアルやトースト、オートミールといった家庭が多いのですが、トーストには日本とちょっと違うものを塗ったりのせたりします。
ベジマイト Vegemiteはイギリスのマーマイト Marmiteと同様の塩辛い発酵食品。トーストにバターやマーガリンを塗った上にベジマイトを塗って食べます。マクドナルドでも朝食の時間帯にはベジマイトがおかれていますが、味が独特なので日本人にはかなり不評です。
他にもトマトソースで煮込んだぶつ切りのスパゲティや、やはりトマトソースで煮込んだ大豆のベイクドビーンズもトーストにのせるものとしては定番で、缶詰になって売られています。
しっかり朝食をとるときは「イングリッシュブレックファースト」。お皿にトーストと一緒にベーコンやソーセージ、スクランブルエッグや目玉焼といった卵料理、焼きトマトなどを盛り付け、ナイフとフォークでいただきます。


ホットクロスバン Hot Cross Bun
イースターが近づくと、ベーカリーやスーパーマーケットでホットクロスバンが販売されます。
ドライフルーツやスパイスが入ったほんのり甘いパンです。イースターは十字架にかけられたイエスキリストが復活したことを祝うお祭りということで、イースターの時期に食べるホットクロスバンにも十字の飾りがついています。

スイーツ SWEETS

パブロバ

パブロバ Pavlova
メレンゲの台にクリームやフルーツをトッピングしたケーキ。
ロシアのバレリーナ、アンナ・パブロバにちなんで名づけられたとか。
メレンゲを低温でじっくり焼くのは面倒なので、土台だけスーパーで買ってくることもできます。


ラミントン

ラミントン Lamington
四角くカットしたスポンジケーキにチョコレートをコーティングしココナッツをまぶしたスイーツ。
カフェやベーカリーだけでなく、スーパーマーケットでも売られています。


アンザック ビスケット ANZAC Biscuit
ANZACは、オーストラリアとニュージーランドの連合軍 Australian and New Zealand Army Corpsの頭文字から来ています。毎年、4月25日はアンザックデー Anzac Dayという祝日で、ニュージーランドと一緒に戦った第一次世界大戦の追悼の日です。
ANZACビスケットは兵士のお母さんや奥さんが持たせたという、オートミールの入った伝統的なビスケットです。

ドリンク類 DRINKS

紅茶 Tea
イギリスの伝統を受け継いでいるオーストラリアでは、紅茶もよく飲まれていて、たいてい牛乳を入れミルクティーにして飲みます。
紅茶だけでなく、ティータイムに食べるビスケットやクッキーも種類が豊富です。
10時頃には「モーニングティー」として小休憩をとります。学校でもモーニングティーの時間があるので、子供たちはランチだけでなくおやつ(フルーツやお菓子の小袋)も持って登校します。


コーヒー  Coffee
コーヒーも人気の飲み物で、たくさんのカフェやショップがあり、いろんな種類のコーヒーを提供しています。
ミルクの入っていないコーヒーには「ショート・ブラック」と「ロング・ブラック」があります。
「ショート・ブラック」はエスプレッソでデミタスカップに、「ロング・ブラック」はエスプレッソにお湯を足したもので通常の大きさのカップに入っています。
ミルクが入っているコーヒーの代表的なものは「フラット・ホワイト」、「カプチーノ」、「カフェ・ラテ」です。ミルクの温め方や量など基準がある模様ですが、正しく言える人は少ないかもしれません。
私の個人的なイメージは「フラット・ホワイト」は表面にあるミルクの泡が少なめのミルクコーヒー。
ミルクの泡が多めに入っていて、上にチョコレートパウダーがかけられているのが、「カプチーノ」。(飲む前にシュガーを泡にかけて、かき混ぜずにその泡をスプーンですくって食べると、ちょっとしたスイーツのようで1杯で2度味わえます。)
そして、ミルクの泡は少なめで、コーヒーが濃い(ように感じる)のが「カフェ・ラテ」。ガラスのコップに入れられていることが多いです。
他には、ショート・ブラックに少しだけミルクの入った「マキアート」などもあります。(スタバのシロップの入った「キャラメル・マキアート」のように甘いものではありません。)
アイスコーヒー」もありますが、日本のものとは全く異なり、生クリームとアイスクリームがトッピングされた甘いドリンクです。


ビール Beer
オーストラリアでは州ごとに自慢のビールがあります。昔はその州でしか味わえませんでしたが、今は別の州のビールも買うことができます。
一番人気はビクトリア州の「ビクトリア ビター Victoria Vitter」。ラベルに大きくVBと書かれ、「ヴイ ビー」と呼ばれています。
人気を争っているのが、クィーンズランド州の「フォーエックス XXXX」。クィーンズランド州には「パワーズ Powers」というビールもあります。
ニューサウスウェールズ州は,、立派な角のついた鹿のラベルが目印の「トゥーウィーズ Tooheys」。また、大きくFと書かれた「フォスターズ FOSTER’S」や「ハーン HAHN」というビールもあります。
南オーストラリア州の「クーパーズ Coopers」というビール会社が製造しているのは、赤いラベルの「スパークリング エール Sparkling Ale」と緑のラベルの「ペール エール Pale Ale」。
西オーストラリア州では州の鳥・黒鳥をデザインしたラベルの「スワン SWAN」、タスマニア州では絶滅したタスマニア タイガーをラベルに描いた「カスケード Cascade」が代表的なビールです。
それぞれのビールには「ライト」とか「オールド」とかもあるので、すごい種類になります。
実はビクトリアビターやフォスターズなどは同じビール会社の製品で、少しだけ値段は高いのですが、結構人気のある「クラウン ラガー Crown LAGER」というビールも製造しています。

缶のサイズは330mlか375mlで、瓶ビールは基本的に大瓶(750mlや800ml)と「スタッビー Stubbies」と呼ばれる小瓶(375ml)です。スタッビーは栓抜き不要で手でひねれば簡単にフタが取れます。

州ごとに違う法律や祝日があったり免許証も違うオーストラリア。パブではイギリスの液体の単位「オンス oz」を元にビールのサイズが設定されていますが、州によって用意されているサイズも呼び名も変わってきます。
 140ml(5oz)…ポニー Pony
 200ml(7oz)…セブン Seven
 285ml(10oz)…ミディ Middy
 425ml(15oz)…スクーナー Schooner
 570ml(20oz)…パイント Pint
 1,140ml(40oz)…ジャグ Jug

上記が主な呼び方とサイズですが、一筋縄ではいきません。
7ozのビールは基本的に「セブン Seven」ですが、州によっては「グラス Glass」と呼ばれ、南オーストラリア州では何故か「ブッチャー Buthcer」という名前です。
10ozのビールに至ってはなかりバラエティーに富んでいます。ニューサウスウェールズ州や西オーストラリア州では「ミディ Middy」、クィーンズランド州やビクトリア州では「ポット Pot」、他の州では「ハーフパイント Half Pint」や「テン Ten」、「ハンドル Handle」です。
ややこしいことに、南オーストラリア州では他の州で15ozのサイズを指す「スクーナー Schooner」が、10ozのサイズで提供されます。
また、クィーンズランド州やビクトリア州で「ポット Pot」は10ozですが、西オーストラリア州では20ozとなります。

いろいろと説明しましたが、間違っても大丈夫! 思ったものと違うサイズのビールが出てくるかもしれませんし、空のグラスを見せて「これでいい?」って聞かれるかもしれませんが、「ビア (Beerの発音)」って言えば、ビールにはきっとありつけると思います!


ワイン Wine
オーストラリア全土にはワイン産地が65ヶ所以上あり、2,400を超えるワイナリーがあるそうです。
ワインの産地の中で有名なのは、南オーストラリア州のバロッサバレー Barossa Valley、ニューサウスウェールズ州のハンターバレー Hunter Valley、ビクトリア州のヤラバレー Yarra Valley、西オーストラリア州のマーガレットリバー Margaret Riverです。

バロッサバレーには、「ジェイコブス・クリーク Jacob’s Creek」、「ヤルンバ Yalumba」、「ウルフ・ブラス Wolf Blass」と言った日本でも見かけるワインのワイナリーがあります。また、「ペンフォールズ社 Penfolds」の“ペンフォールズ グランジ Penfolds Grange”はオーストラリアワインの最高峰と言われています。
南オーストラリア州はオーストラリアワインの約半分を生産しており、州都アデレード近郊には、バロッサバレーだけでなく、アデレード ヒル Adlaide Hillsマクラーレン ベール McLaren Valeなどの産地があり、車で4時間くらいのビクトリア州との州境近くにはクナワラ Coonawarraもあります。

ニューサウスウェールズ州にもハンターバレー以外のワイン産地が多々ありますが、ハンターバレーには150年以上の歴史を誇る老舗「ティレルズ Tyrrell’s Vineyards」のワイナリーがあります。

また、ヤラバレーにはフランスの高級シャンパン“ドンペリ”を製造しているモエ・シャンドンのワイナリーの「ドメイン・シャンドン Domaine Chandon」があります。

シドニーからハンターバレー、メルボルンからヤラバレー、アデレードからバロッサバレー、パースからマーガレットリバーといったように、ワイナリーをめぐるツアーに参加することができます。ワインの産地には舌の肥えたワイン通も納得するレストランがあるので、日程に余裕があれば数日滞在して雄大な景色とワインや食事を楽しむのもおすすめです。

※各産地にGoogle Mapをリンクさせていますが、ヤラバレーだけは地名にリンクできなかったので、ワイナリー「ドメイン・シャンドン」の位置にリンクさせています。

カスクワイン Cask Wine
オーストラリアにはカスクワインと言う箱に入った2Lや4Lのワインがあります。箱に取り付けられたバルブから好みの量を注いで飲むことができ、ボトルに比べて開封後もある程度の期間保存することが可能です。価格も手ごろなので、冷蔵庫に入れておいて、毎日少しずつ飲むことができます。