オーストラリアのこと

6つの州と2つのテリトリー

オーストラリアは規模も大きさも様々な6つの州と2つのテリトリーに分かれています。
州ごとに異なる法律もあり、免許証や教員免許も州によって違います。

また、他の大陸とは離れていて固有の動植物が生息していることから、オーストラリア入国時の検疫は厳しいことでも有名ですが、国内移動でも他州産の生果実や動植物の持込を禁じている場合があります。
例えば、西オーストラリア州から陸路で南オーストラリア州に入る際も、州境の手前で「この先に検疫がある」という標識を目にします。「野菜や果物などを持っているのなら、今食べなさい。でなければ(検疫の設置したごみ箱に)捨ててください。」と書かれていて驚きました。
検疫では車のトランクを開けて見せたりするようですが、私の乗った長距離バスには検疫官が乗車し簡単に車内を見回って乗客に果物など持っていないか確認していました。

いろいろと違う各州とテリトリーはどんなところなのか、簡単にご案内します。

ニューサウスウェールズ州
NSW

東海岸に位置するニューサウスウェールズ州の人口は800万人。州都シドニーは600万人近くが住むオーストラリア最大の都市でオーストラリア経済の中心地。シドニー、ニューキャッスル、ウロンゴンの三大都市は海岸沿いにありますが、内陸にも特徴のある町が点在しています。また、ビクトリア州との州境近くにはオーストラリア最高峰(2228m)のコジオスコ山 Mount Kosciuszkoがあります。

ビクトリア州
VIC

大陸にある州では一番小さい州で人口は650万人。移民の国オーストラリアの中でも特に移民の比率が高い州です。州都メルボルンの人口は530万人とシドニーに次いでオーストラリア第2位ですが、人口密度はシドニーを上回っています。ニューサウスウェールズ州との境にはオーストラリア最長のマレー川 Murray Riverが流れています。

クィーンズランド州
QLD

オーストラリアの東海岸にある州で、州全体の人口は510万。晴天率が高く温暖で過ごしやすい州には、他州の都市部から移り住む人も多い。州都ブリスベンはオーストラリア第3の都市で人口260万人。ケアンズ、ブリスベン、ゴールドコーストに国際空港があり、ビーチ、グレートバリアリーフ、熱帯雨林など日本人観光客にも馴染みのスポットがたくさんあります。

西オーストラリア州
WA

国土の1/3を占めるオーストラリア最大の州。鉄・ニッケル・金・ウランなどの多くの天然資源に恵まれています。インド洋に面した人口約250万人の州都パースには、東海岸のシドニーから4352㎞を3泊4日で走行する大陸横断鉄道の終着駅があります。途中の南オーストリアリア州から西オーストラリア州にかけて1200㎞続くナラボー平原 Nullarbor Plainには世界一長い直線の線路(478㎞)があることでも有名です。

南オーストラリア州
SA

流刑地ではなく植民地として始まった州です。人口140万人の州都アデレードは、東海岸のシドニーと西海岸のパースの間を走る大陸横断鉄道「インディアン・パシフィック」の経由地で、ティモール海に面した北のダーウィンまで大陸の真ん中を縦断する鉄道「ザ・ガン」の始発地となっています。
州の南東部を除いたほとんどの部分がアウトバックと呼ばれる乾燥した砂漠地帯で、イスラエルの国土より大きな世界最大の牧場もあります。

タスマニア州
TAS

タスマニア州は北海道の8割程度、アイルランドやスリランカと同じくらいの大きさのタスマニア島とその周辺の島々からなる州です。タスマニア島の東側には美しいビーチがあり、島の西側は森林や湖の広がる山岳地帯となっています。州都はホバートで人口は約25万人です。
最高級のウール、リンゴ、チーズや牡蠣などが特産品として有名です。

ノーザンテリトリー
NT

南部(内陸部)はレッドセンターと呼ばれる鉄分を含んだ赤土の砂漠地帯です。北部はトップエンドと呼ばれる熱帯で、野鳥の生息する湿地帯や滝の流れる渓谷が美しい国立公園があります。州全体の人口が25万人と少ないため準州となっていますが、先住民族アボリジニの古代壁画や文化に触れることができる地域で、州都はティモール海に面した人口16万人弱のダーウィンです。

オーストラリア首都特別地域
ACT

最大都市シドニーと2番目に大きいメルボルンの間に作られた首都キャンベラ。首都特別地域はキャンベラとその周辺地域で形成されています。周りをニューサウスウェールズ州に囲まれた神奈川県と同じくらいの面積に約42万人が暮らしています。

時差

オーストラリアは大きな国なので、国内で時差があります。
首都キャンベラをはじめ、シドニーやゴールドコースト、メルボルンのある東側は日本より1時間進んだ時間帯、エアーズロックやアデレードのある中部は日本より30分早い時間帯、西側にあるパースが州都のウェスタンオーストラリア州は日本より1時間遅い時間帯です。
(ただし、シドニーと同じNSW州でもSA州に近いブロークンヒル Broken Hillは、SA州と同じ時間帯で生活しています。)

オーストラリアでは夏季(南半球なので日本の冬の時期)にサマータイム(Daylight Saving Time)を導入している州があります
QLD州やNT、WA州では緯度が低く日照時間が夏季でもそれほど変わらないため、サマータイムは導入していませんが、ACT、NSW州、VIC州、TAS州、SA州では、10月の第一日曜日の早朝から、翌年4月の第一日曜日早朝まで時間を1時間早めて生活します。
開始は10月の第一日曜日の午前2時。午前2時が午前3時になるのです。(寝る前に時計の針を1時間進めておきます。)
終了の際は、4月の第一日曜日の午前3時を午前2時に戻します。

日本人観光客が多く訪れ、日本人もたくさん住んでいるゴールドコーストはQLD州の南に位置し、NSW州との州境にあります。中心部から車で30分も走ればNSW州でスーパーの営業時間も違ったりします。サマータイムの期間は時差があるので、年末もQLD州側でカウントダウンしたその1時間後にNSW州側でまた新年を迎えることができます。

日本との時差
WA -1時間(日本が12時の時は11時)
NTとSA +30分(日本が12時の時は12時半)
QLD,NSW,ACT,VIC,TAS +1時間(日本が12時の時は13時) 
サマータイムの時の時差
WA -1時間(日本が12時の時は11時)
NT +30分(日本が12時の時は12時半)
QLD +1時間(日本が12時の時は13時)
SA +1時間30分(日本が12時の時は13時半)
NSW,ACT,VIC,TAS +2時間(日本が12時の時は14時)